株式会社 J-WAVE様 事例紹介

初回利用のリスナーにも興味・嗜好にぴったりな情報を提供し、閲覧データに頼らないパーソナライズを実現できました。

株式会社 J-WAVE
株式会社 J-WAVE
プロフィール
株式会社 J-WAVE i
代表取締役社長 小向 国靖 様(写真左)
取締役 チーフエンジニア 石川 和男 様(写真右)

株式会社 J-WAVE
https://www.j-wave.co.jp/myjwave/

不可能と思われた状況下でのパーソナライズを実現し、
リスナーと新しい出会いを創出したJ-WAVEの新サービス開発

2018年4月、関東を中心にFMラジオ放送を展開する株式会社J-WAVE(周波数81.3)は、WEBサイト上でリスナーへパーソナライズされたラジオ体験を届ける「MY J-WAVE」サービスをリリースしました。閲覧データが使えない、初回利用者はデータがない、という2つの課題を乗り越えて新サービスを構築した経緯について、株式会社J-WAVE iの代表取締役社長 小向様、取締役 石川様にお話をうかがいました。

導入イメージ

導入イメージ

事例のポイント

POINT 1

パーソナライズ化されたラジオ体験を提供する「MY J-WAVE」サービスを構築

POINT 2

閲覧データが貯まらない、初回利用時はデータがないという2つの壁に直面

POINT 3

2つの課題をテキスト解析テクノロジーとUIの工夫で解決し、2018年4月に「MY J-WAVE」サービスをスタート

レコメンドシェアNo.1(※)
Rtoaster
最新情報をご覧いただけます

※ 上場企業が利用しているWebサービスランキングTOP100(2017年12月度)
出典:DataSign Report 上場企業調査 2017.12

【事業内容】J-WAVEのデジタルマーケティングを
一手に引き受ける株式会社J-WAVE i
パーソナライズされたラジオ体験を提供するサービス構築にチャレンジ

ー小向様が代表を務める、株式会社J-WAVE iの事業内容を教えてください。

小向様:J-WAVE iは、WEBコンテンツの制作を中心に行うJ-WAVEの100%子会社です。J-WAVEは積極的にデジタルマーケティングに取り組んでいますが、その取り組みを外部パートナーに依存していては、いつまでも自社にノウハウを蓄積できません。J-WAVE内部に独自のノウハウを積み上げ、ラジオというメディアに新たな発展をもたらすため、J-WAVE iは設立されました。

ー「MY J-WAVE」について教えてください。

小向様:「MY J-WAVE」は、これから放送されるJ-WAVEの番組情報や、radikoタイムフリーで聞ける聞き逃し番組の情報、イベント・プレゼント情報などを提供するWEBサイトです。2018年4月にリリースされました。

「あなたにオススメの番組情報をお届け」のコンセプト通り、リスナーの[年齢][性別][興味のあるジャンル][閲覧したコンテンツ]に応じて、その方にパーソナライズ化されたJ-WAVEのコンテンツをレコメンドする仕組みになっています。

ー「MY J-WAVE」を立ち上げた理由を教えてください。

小向様:例えばアメリカでは、ロック、ジャズ、ポップスなど音楽ジャンルに特化したラジオ局がたくさんあるので、リスナーは自分の好みにあわせて、好きなラジオ局をたくさんの選択肢の中から選ぶことができます。

一方、日本はアメリカ程ラジオ局が多くはないので、どの局も総合百貨店的にいろんなジャンルの音楽、番組を放送しています。そしてリスナーの年齢層も様々で20代女性と40代男性では、当然求められる情報が違いますが、それに柔軟に対応することができない。こうしたニーズの違いに対して、私たちはどう対応すべきか?という課題意識が「MY J-WAVE」の出発点になっています。

「自分のライフスタイルをさらに豊かなものにしてくれる番組、好みに近いけどまだ聴いたことがないアーティストや情報」。リスナー一人ひとりの年齢・性別・興味にあわせて、パーソナライズ化されたぴったりのおすすめ番組情報を提供するため「MY J-WAVE」はスタートしました。

【選定のポイント1】MY J-WAVEのパーソナライズ実現に
立ちはだかる2つの壁
閲覧データが蓄積されないコンテンツ特性と、
データの蓄積のない初回利用リスナー

ー「MY J-WAVE」でのパーソナライズは苦労されたとお聞きしましたが、どのような難しさがありましたか。

石川様:「MY J-WAVE」は、ラジオの番組情報サイトという性格上、コンテンツの掲載期間がとても短いのです。全てが「新商品」のような状態ですね。そのため、コンテンツごとの「閲覧履歴データ」が貯まりにくいという特徴があります。

Amazonのような通常のECサイトですと、商品が販売中止にならない限りずっと掲載が続くので、商品ごとの「閲覧履歴データ」が貯まります。「閲覧履歴データ」があれば「商品Aを閲覧した人は、商品Bや商品Cも閲覧している」という商品レコメンドが有効に機能します。

一方、「MY J-WAVE」のコンテンツは、放送の1週間前から掲載が始まり、放送終了の1週間後には掲載が終わります。正味2週間しか掲載されず、その間にも新しいコンテンツが毎日次々と生成されていきます。掲載のサイクルが非常に速いので、コンテンツごとの「閲覧履歴データ」がほとんど貯まらないのです。

多くのレコメンドツールが「閲覧履歴」等の行動に基づくレコメンドロジックでしたので「MY J-WAVE」でのレコメンドは普通のやり方では不可能でした。

ー閲覧データの他に、構築時の課題はありましたか。

石川様:「MY J-WAVE」をはじめて使うリスナーに、どうやって初回からパーソナライズされた体験を提供するかは課題でした。

リスナーがコンテンツを閲覧するたびに、リスナーの視聴データが貯まり、興味関心のあるジャンルが蓄積されます。しかし、はじめて使うリスナーにはこれまでの視聴データがないのでパーソナライズをする材料がありません。2回3回と利用してくれれば良いのですが、はじめての「MY J-WAVE」体験の時から、パーソナライズの恩恵をリスナーが受けられるようにするためにどうするか?はもう1つの課題でした。

【Rtoaster利用方法2】閲覧データを使わないレコメンド手法と、
UIの工夫で2つの壁を乗り越える
自然言語処理エンジンと、初回利用者のみに表示する簡易アンケート

ーコンテンツの閲覧データを貯められないという課題をどのように解決しましたか。

ブレインパッドさんとも相談して実現方法を模索していたところ、「閲覧履歴データ」ではなく、「コンテンツの類似性」でレコメンドしてはどうか?という案にたどり着きました。Rtoasterに「Mynd plus(マインドプラス)」という自然言語処理エンジンを組み合わせる提案をいただき、確かにこの方法ならコンテンツの入れ替わりが早い「MY J-WAVE」でもレコメンドがうまく機能しそうだ、と感じました。

ーコンテンツの類似性でレコメンドするというのは具体的にどうやるのでしょうか。

例えば、『ビートルズ』『ジョン・レノン』のことが書いてあるコンテンツをリスナーAさんが閲覧すると、「MY J-WAVE」はこれらの情報から、「リスナーAさんは『ビートルズ』『ジョン・レノン』に興味がある」という「好みのキーワード情報」を蓄積します。そして「MY J-WAVE」は、その他に『ビートルズ』『ジョン・レノン』について書かれたコンテンツがないかを探し出し、類似コンテンツがあればリスナーAさんにレコメンドを行います。

これにより閲覧履歴データがない新着コンテンツ(記事)であっても、記事に含まれたテキスト情報を元に、その内容に興味のあるリスナーに類似コンテンツとして提供できるという手法です。

そしてこのレコメンドは、単に1つのキーワードだけでコンテンツを探し出してレコメンドしているのではありません。あくまでもコンテンツ内を構成する全てのワードから総合的にコンテンツを判断します。従ってリスナーの興味関心にぴったりなコンテンツから少し関心がある程度のコンテンツまでを網羅的に捉え、類似コンテンツをレコメンドすることが可能です。まさに「MY J-WAVE」のテーマである「自分のライフスタイルをさらに豊かなものにしてくれる番組、好みに近いけどまだ聴いたことがないアーティストや情報」をリスナーに提供できるので、とても満足しています。

ーはじめての「MY J-WAVE」体験の時からパーソナライズさせるという課題は、どのように解決しましたか。

小向様:「MY J-WAVE」をはじめて利用するリスナーにだけ簡易なアンケート画面を差し込むUIを作りました。

質問内容は[年齢][性別][気になるジャンル]と、ごく簡単なものに絞りました。ここであまりに多くのことを聞くとすぐ離脱されてしまうので、1画面内に収まり、リスナーがストレスを感じない最低限の質問を行っています。

質問に答えるとリスナーの情報を蓄積すると同時に、その次の画面からすぐにパーソナライズされたコンテンツが表示されます。初回コンテンツはアンケートの回答内容に基づいた好みのジャンルレベルでのパーソナライズですが、その後はリスナーの行動によって表示されるコンテンツがどんどんそのリスナー向けのものに変わっていきます。

【今後の展望】スピーディな実装で「MY J-WAVE」をリリース
多くのリスナーに利用いただき、その後のビジネス展開を
見据えてサービスを育てる

ー「MY J-WAVE」リリース後の反響を教えてください。

石川様:「MY J-WAVE」は公開から2か月しか経っていないので、具体的な成果はまだこれからという状況ですが、今のところレコメンドしたコンテンツのCTRは、10%~15%ほどで推移していて、想定よりも良い数値になっています。リスナーの興味・嗜好にあったぴったりな情報はもちろんですが、少しでも興味関心がある情報やリスナーもまだ気づいていない情報を提供することで、気づきと発見のあるサービスとしてリスナーに受け入れてもらえたのではないかと感じています。

今後サイトへの流入が増えれば、より多くのデータが収集でき、いろいろなビジネス展開が可能になるので、まずは「MY J-WAVE」をより多くのリスナーに利用していただくことを目指しています。

「MY J-WAVE」WEBサイト
https://www.j-wave.co.jp/myjwave/

「MY J-WAVE」WEBサイト

ー最後に、ブレインパッドのサポートへの印象を教えてください。

石川様:「MY J-WAVE」はリリースまでの準備期間がすごく短かったんです。Rtoasterの実装作業も実質1か月ほどしかなかったので、ブレインパッドさんにはいろいろとご無理をお願いしました。

担当コンサルタントの方は、「MY J-WAVE」リリース日から逆算して、いつまでに何をしなければならない、これはできる/これはできない、という情報をはっきり示してくれたので、ゴールに向けてやるべきことが明確になりました。いつでも基本的に即レスなので、作業がとてもしやすかったです。非常に助かりました。

小向様:ブレインパッドさんの、こちらの要望になんとか応えようとする姿勢は、一緒にプロジェクトを推進していく上でとても重要でした。「いつまでにお願いしたい」というリクエストに応えようと頑張ってくれる会社じゃないと、長いお付き合いはなかなか難しいですよね。私たちのようなメディア系の場合は特にその傾向があると思います。

あまり言うとウチの無茶振りがバレてしまいますけど(笑)、ブレインパッドさんはそうした要望にしっかりと応えてくれる点が良かったと思います。

ー本日はありがとうございました。

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