株式会社JTBパブリッシング様 事例紹介

出版ビジネスで培ってきた
当社の資産・ナレッジ×デジタル上で得られるデータを活用し、新たな事業を立ち上げています。

株式会社JTBパブリッシング
株式会社JTBパブリッシング
プロフィール
株式会社JTBパブリッシング
デジタルコミュニケーション事業部 デジタルマーケティングチーム
マネージャー 田代 浩一 様

株式会社JTBパブリッシング
https://jtbpublishing.co.jp/

「私の好みを良く理解している」と
思っていただける「るるぶ」へ
~お客様の嗜好に寄り添うデータマーケティング構想~

株式会社JTBパブリッシングは、メディアサイト「るるぶ&more.」とECサイト「るるぶモール」にブレインパッドのレコメンドエンジン搭載プライベートDMP「Rtoaster」を導入しました。お客様の「嗜好」に基づくレコメンドにより、細分化するお客様のニーズに応えるのと同時に、紙媒体では取得が難しいお客様のデータを商品開発やコンテンツ制作に活かすデータマーケティングに取り組んでいます。Rtoaster導入経緯と活用方法について、株式会社JTBパブリッシング デジタルコミュニケーション事業部 田代様にお話をうかがいました。

導入イメージ

導入イメージ

事例のポイント

POINT 1

細分化するお客様のニーズに応えるには既存ナレッジ・独自資産×データの融合が課題

POINT 2

お客様の嗜好を捉えたパーソナライズにはスコアリングがカギ!?

POINT 3

既存のビジネスで培ってきた資産を有効活用し、新規事業の立ち上げに成功

レコメンドシェアNo.1(※)
Rtoaster
最新情報をご覧いただけます

※ 上場企業が利用しているWebサービスランキングTOP100(2017年12月度)
出典:DataSign Report 上場企業調査 2017.12

【事業内容】
旅行ガイドブック「るるぶ」をはじめ幅広く旅行情報を提供
新規Web事業「るるぶ&more.」「るるぶモール」をリリース

-JTBパブリッシング様の事業について教えてください。

田代様:JTBパブリッシングは、JTBのグループ会社として、「るるぶ」をはじめとする主に旅行情報分野の出版を行っています。

おかげさまで「るるぶ」は、発行点数世界最多の旅行ガイドシリーズとしてギネス世界記録™にも認定されました。また、インターネットやスマートフォンの普及にあわせて、Webサイトやアプリなど出版物以外の分野にも注力しています。

企画・編集・制作力、豊富な旅行情報データベース、営業提案力、JTBグループのネットワークなどの強みを活かし、お客様に新しい旅行情報サービスを提案しているのが私たちJTBパブリッシングです。

-「るるぶ&more.」「るるぶモール」について教えてください。

田代様:「るるぶ&more.」は2018年4月にリリースしたWebメディア、「るるぶモール」は2018年10月にリリースしたECサイトです。

るるぶ&more.
https://rurubu.jp/andmore

「るるぶ&more.」は、“「るるぶ」をもっと身近に”という思いを込めて開発した、女性向けのおでかけメディアです。おでかけスポットの情報から、ビューティー、ファッションまで、幅広いジャンルの記事展開をしています。「ここに行きたい」「これを食べたい」「こんな写真が撮りたい」と、思わず真似したくなる、おでかけしたくなる、をコンセプトにしています。

るるぶモール
https://rurubu.jp/mall

「るるぶモール」は、おでかけ先にあるレストランの予約や、そこで楽しめるレジャーチケットを購入できるECサイトです。第1弾リリースでは、飲食店とレジャーチケットを中心に取り扱っていますが、今後は宿泊予約など幅広い施設やレジャーを取り揃えていく予定です。

「るるぶ&more.」がおでかけニーズを喚起するメディアだとすれば、「るるぶモール」はおでかけをより充実したものにする施設やレジャーを提案するサイトです。この2つを組み合わせることで、お客様のニーズに総合的に応えていきたいと考えています。

【新規事業立ち上げの理由】
Webだからこそ得られるお客様の「嗜好」をデータで捉え
これまで培ってきたノウハウを活かせば、新たなビジネスが創造できる

-JTBパブリッシング様がこうした取り組みを始めた理由を教えてください。

田代様:おかげさまで「るるぶ」は旅行ガイドブックの定番として、年代・性別を問わず多くの方にご支持いただいています。しかし、紙媒体の特性上、読者(お客様)の方が実際に何に興味を持ったのか、どこに行ったのか、何を食べたのかまではデータを取ることが難しいのが実情です。

もし、お客様の嗜好やニーズ、閲覧履歴、行動履歴を正確なデータとして得ることができれば、私たちの編集力や企画力を活かし、そこから新たなコンテンツの制作や商品開発を行うことができます。そこにビジネスチャンスがあるという想いは以前からありました。

こうした取り組みを行うのにWebは最適なメディアです。そこで既存の「るるぶ」ブランドを用いて、Webの枠組みで新たなビジネスを創造する「新るるぶ事業推進プロジェクト」が立ち上がりました。「るるぶ&more.」「るるぶモール」はこのプロジェクトから生まれた新規サービスです。

-JTBパブリッシング様は2001年から「るるぶ.com」というサイトを運営されています。
こちらのサービスとの棲み分けはどのように考えられたのでしょうか。

田代様:「るるぶ.com」は一言でいうと「旅情報の検索ポータルサイト」です。すでに「旅行に行こう」と思っている方に多く利用されています。

しかし、旅行の機会はそう多いものではなく、「るるぶ.com」上の接点は限られたものになります。我々としては、接点を増やし、お客様ニーズをより多く捉えるには、旅行中よりも旅行前、さらには、日常の暮らしにおける嗜好や行動に注目する必要がありました。

こうした考えから、「旅行」だけではなく「おでかけ」、「検索ポータルサイト」だけはなく「ニーズを喚起するメディア」という目的で、「るるぶ&more.」のコンセプトが生まれました。

-「るるぶ&more.」「るるぶモール」に、Rtoasterを導入された理由を教えてください。

田代様:日常の暮らしからお客様ニーズに幅広く応えるためには、豊富なジャンルにわたる、たくさんの記事が必要となります。そして、その中からお客様の嗜好にあった記事を提案することが重要で、そのためには「レコメンドツール」のような仕組みが必要だと考えるようになりました。

また、私たちのもう一つの目的はWeb上の接点からお客様のニーズを知り、それをコンテンツ制作や商品開発に活かす──つまり、データマーケティングを行うことにあります。そうした考えから、お客様へ情報をレコメンドするだけでなく、マーケティングにも活かすために「プライベートDMP」を導入することになりました。

【活用施策1】
記事内にタグを設定し、タグの閲覧傾向をスコアリング
スコアから見えるお客様の「嗜好」をレコメンドに反映

-お客様のニーズを捉えた提案のために「るるぶ&more.」で行っている具体的な施策を教えてください。

田代様:お客様の「属性」(性別・生年月日)や「行動」(ページ/カテゴリの閲覧履歴)ベースのレコメンドに加えて、「嗜好」に基づいたレコメンドに取り組んでいます。

お客様の嗜好を把握するため、「るるぶ&more.」の記事にはたくさんのタグを設定しています。そのタグの閲覧傾向をRtoasterでスコアリングし、お客様の関心度合いが強いコンテンツをレコメンドするという施策です。

田代様:例えばタグの中には「絵本カフェ」というものがあります。今や「カフェが好き」といっても、「動物カフェ」「ブックカフェ」「オーガニックカフェ」など嗜好はどんどん細分化しています。タグの細分化、スコアリング、それに基づくレコメンドによって、そうしたニーズにきめ細かに対応することができると考えています。

今後、記事本数やバリエーションが増えればタグの種類も増え、よりお客様の嗜好にフィットした記事をレコメンドできるようになると思います。

【活用施策2】
旅行情報誌で培った2,000を超える独自のエリア区分をデジタル上でも再現
お客様の嗜好を捉えた“エリアレコメンド”の実行

-「るるぶモール」ではどのような施策を行われていますか。

田代様:「るるぶモール」では、紹介する施設やレジャーごとに、エリア、シーン、ジャンルなどの情報を設定しています。こちらも情報の閲覧傾向をスコアリングすることで、「このお客様は横浜エリアで、結婚記念日に利用する、フレンチのお店を探している」などの嗜好が把握できます。その嗜好にあったお店やレジャーをレコメンドする仕組みの構築を現在進めているところです。

-エリア、シーン、ジャンルなどの情報項目は、それぞれ何種類ぐらいあるのでしょうか。

田代様:エリアでは2,000を超える区分をRtoaster上で設定しています。旅行情報分野におけるエリア区分は独特で、例えばJIS(日本工業規格)が定める市区町村コードでは全く別の場所となる日光市と那須町が、旅行ガイドブックでは「日光・那須」と1つのエリアになることもあるのです。

こうしたエリア区分には、長年にわたり旅行情報誌を出版してきたJTBパブリッシングのノウハウが詰め込まれていますので、ブレインパッドさんにはそれを余すところなく、サイト上でも再現して頂きました。

これまで培ってきたノウハウや資産はありますが、それをデジタル上でも強みとして再現しアップデートしていく事がデータマーケティングでは重要だと思っています。そのためにブレインパッドのコンサルタントの方にはプロジェクト初期から打ち合わせに参加いただき、レコメンドの具体的な方法や、取得データをどうマーケティングに活かすかなど、実践的なアドバイスをいただきました。

【活用施策3】
「るるぶ&more.」と「るるぶモール」
2つのサイトで取得したお客様情報を統合しレコメンドを実施

-「るるぶ&more.」と「るるぶモール」間の情報連携はあるのでしょうか。

田代様:現在「るるぶ&more.」と「るるぶモール」は、それぞれ独立した形でレコメンドを行っていますが、2つの情報を統合して、相互にコンテンツをレコメンドしあう形を目指しています。

それぞれのサイトで取得したお客様データを1つに統合することで、より多様な嗜好をレコメンドに反映することができますし、また、メディアとECサイトをシームレスに繋げることで、他のメディア、他のECサイトにはできない体験をお客様にご提供できるのではないかと思います。

最終的には「私の好みをとても良く理解している」と思っていただけるような、自然なパーソナライズを実現したいと考えています。

【今後の展望】
Webで得られたお客様のデータを活用し
新商品開発・コンテンツ制作・ターゲティング広告を展開したい

-「るるぶ&more.」「るるぶモール」で取得したデータを活用したマーケティングに関しては、どのようなことを計画されていますか。

田代様:冒頭に申し上げた通り、紙媒体では得られなかったお客様の嗜好やニーズ、閲覧履歴、行動履歴データを、新たな商品開発やコンテンツ制作に活かしたいと考えています。

例えば「るるぶ&more.」内で人気のコンテンツがあれば、それを基にディナーやランチのプランやレジャーチケットの開発提案を行い、「るるぶモール」内で販売するといった展開を考えています。

また、Webで得られたお客様データは、ガイドブックなど出版の企画にも活かせるはずです。編集者の勘で行ってきた企画に、データの裏付けを加えることで、よりお客様に喜んでいただけるコンテンツをご提供できると思います。

さらに、広告主様に向け、お客様の嗜好データに基づいたターゲティング広告を展開するプランもあります。広告も、それがお客様の嗜好にあったものであれば、有益なコンテンツの1つとして受け取っていただけるのではないかと思います。

自社の強みを活かして
積極的なデータマーケティングを展開していきたい

-最後に「るるぶ&more.」「るるぶモール」の今後の事業展開を教えてください。

田代様:「るるぶ&more.」は女性をターゲットにしたおでかけメディアですが、今後、ファミリー層やシニア層など、違う層に向けて、違うテーマのメディアを「るるぶ」ブランドで立ち上げる構想です。

そこで得られたデータを用いて商品開発を行い、「るるぶモール」の取り扱い商材を充実させていけると理想的ですね。特定層に向けたメディアがあり、そのメディアと密接に関わる商品が「るるぶモール」で販売され、やがてそれがデパートのように豊富な品揃えになっていく──こうして、メディアとECサイトを一緒に成長させていきたいと考えています。

JTBパブリッシングには、「るるぶ」をはじめ、アウトドアや鉄道、紀行文など、旅行やおでかけをテーマにした様ざまな雑誌・単行本・ムックの出版実績があります。長年にわたる事業活動で培ってきたアセットは、他のメディア、他のECサイトにはない自社ならではの強みです。

こうした独自資産をWeb等のデジタル上で新たに活用することで、今後も新たな事業を生み出していきたいと思います。自分たちにノウハウや経験がない部分で勝負するのではなく、既存のアセットを最大限に活用しながら、地に足をつけた形でデータマーケティングを展開していきたいですね。

-本日はありがとうございました。

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